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2006年9月19日 (火)

秋は駆け足で深まってゆく

9月にはいると私の桜は はやばやと葉っぱを紅葉させる。

茂った緑の枝に数枚づつ赤や黄が混ざって、それが風にのって

ハラハラと落ちてくる。

鮮やかな色模様は2枚と同じものがなく、小さくて 可愛らしく美

しい。  拾い集めて篭などに盛って下界へ持ち帰り玄関などに

飾っておく。   ふもとの里は秋まつりの屋台を出したり、ちょうちん

飾りをしたり、若い人達が楽しそうに仕度をしている。

これからは、駆け足で秋が深まってあっという間に お山は静かに

なってしまう。

向かいの岡田青年は、定住をはじめて、もう、1年が過ぎた。

あの、寒くて厳しい強風の続く冬を、たった一人で過ごしたのだ。

淋しくない?  と聞くと 僕、こんなの嫌いじゃないから大丈夫、

夜、静かにしているとなんか、動物の気配がして息遣いまで

聞こえるんですよ。 と嬉しそうに云う。

夜、岡田青年の明るい部屋の中をタヌキやウサギなどが覗く

こともあるのかな と 想像してしまった。

岡田青年は控えめで、ものしずかな青年だ。

最近、就職できたと言っていた。

彼に関しては他には なあんにも知らない。

お山では、そういう関係が、お互い いちばん心地よいと思う。

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