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2006年11月25日 (土)

今がいちばん

うららかな陽がふり注ぐあったかい土曜日。県道脇の、いつもの銀杏の大木は、

落葉盛ん。 黄金色に輝いていた。

晩秋のお山はシーンと静まりかえっている。鮮やかに色づいた漆の葉。

山芋の黄色い、かわいいハートの葉っぱなど、みんな、今年最後のお洒落

を、精いっぱいして日向ボッコをしている。

トトーも忙しくマーキングをしながら落ち葉の匂いを嗅いだり、ハナを突っ込

んだり、最後の秋を楽しんでいるようだ。

時々、姿が見えなくなるので、トトー トトーと、大声で呼ぶ。

それでも返事?がないときは「トトー オヤツだよー」と叫ぶと、ひょっこり木

の陰から姿を現せたりするのでホットする。

「この山の中で迷子になったらもう、お家へ帰れないんだから。イノシシや、

クマに食べられてしまうんだからね」  言ってきかせても、言うことをきか

ない。 二キロちょっとの、チビのクセにヤンチャボーズで困る。

この仔と二人で、林の中をガサゴソ散歩をしている時が、いちばん幸せ。

このまま、時間が止まってくれないかなあ などと思ってしまう。

お山も、あと、わずかで寒風吹き荒ぶ 恐ろしやま 恐山 に変化する

ことだろう。 今のうち。 いまのうち。  ガサゴソ、、、ガサゴソ、、、、

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2006年11月12日 (日)

晩秋は乙女チックに、、

不思議なことに今年は、大きな松ボックリが、ひとつも落ちていない。

ウチのすぐ裏が雑木と杉の林になり、その中に太い赤松が数本あって大きな

松ボックリを毎年大量に落とすのに、、、今頃ではなかったかしら?。

それとも、だれかが拾ってしまったのか。

そういえば、道にたくさん落ちているドングリの実もまったくと言っていいほど

おちていない。   そろそろクリスマスリースの材料を集めようと思って林の

中に入った。 ちょっと大きな丸い紫の実をつけた枝や、自然にドライフラワー

様になった赤い木の実つきのツルなど、材料は適当に。

シーンと静まっているススキの群れの中にいると、まだ、どこかで虫の鳴き声

のようなものが微かに聞こえる。

野菊や、黄色い花をいっぱいつけた名前の分からない花(これは花のあとがオトビ

となってズボンの裾や、着ている物にいっぱい取り付いて厄介なもの)がひっそりと

咲いていたりする。   青く透きとうった空の下で立ち止まり、じっとしていると この

世の中に唯一人 という気分になってきて、なんともいえない心細さ感じてしまう。

秋は好きだけど寂しくてイヤなんだよね と姉に言ったら、(アンタ車の中で演歌聞き

ながら涙流して家へかえるんだよね)と笑われた。

本当。赤信号が涙で、じわーんと滲んでもう、居ない妹や、父を呼んでみたり、、、、

秋は夕暮れが早くて悲しい。 乙女チックな気分になるんだよね。

こんな古い言葉は今、使わないかも。

夕暮れ時、演歌がんがんかけて泣きながら走っているおばさんを見たら、一人しずか

さんと思ってください。

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2006年11月 4日 (土)

雑草に埋もれて、、、

手入れの行き届いていない杉林はじめじめと暗く、下草がヒョロヒョロと生えている。

折れて落ちた枝や、葉が積もり空を吹き通っている強風もこの林の中まで届かない。

昔は良く手入れされていただろうに、近年は林業に携わる若い人達も少なくなって

しまったという。  里山も高齢化のため生活に不自由になると、お年寄りは町へ移

住してしまい人口が減る一方だという。

無人となった廃屋は、あっというまに雑草に覆いつくされ、傾いて最後は所在さえ

も定かでなくなってしまう。

実さい、この里で出会うおじいちゃん、おばあちゃんたちは朝から晩まで草刈を

している姿をよく見る。 雑草は刈り取っても、その、すぐそばから生えてくる。

体を休める時はきっと、寒い冬の間だけなのかもしれない。

そんな姿を見ながら「下界」から登ってくる 一人しずかさんは、なんか、申し

わけないナア などという後ろめたい気持ちになってしまう時がある。

自然の中での暮らしは気のむいた時だけやってくる人間には心地良いかもし

れぬが、その、場所だけで一生生活する人達には、時として大変厳しく辛い

ものだろう。

ネオンや、深夜でも明るいコンビニなど、見ないと淋しいなどと思ってはいけない。

居酒屋で、しみじみ熱燗などやりたいなーなんて思う私は、とっても真の里山人に

なりきれないかもしれぬ罰あたりものですね。 

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