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2006年12月10日 (日)

嵐が丘

12月10日

午前中はまだ薄日もさして焚き火もできた。

午後、 いよいよ空もどんよりして、なにか、わからない風のかたまりのような

ものが足もとを通りすぎてからいっせいに丈の低い雑草や、木々たちを揺らし

はじめた。  あっ 今年も、とうとうやってきたな、と思う間もなく高い木立が

ザワザワ ゴーゴーと冷たい風に波打ちはじめる。

これが、このお山の本格的な冬のはじまりを告げる儀式のようなものだ。

これから、毎日のように決まって、午後1時近くから強風が吹き荒れ、12月

も終わりごろには時に、風花もまきこんでそれが春まで続く。

奥まった位置にある我が小屋は、ほとんどが日陰となり、吹き上げてくる

強風にさらされる。 そんな時、一人、冷たい部屋にじっとして風の音を聞い

ていると、かならず昔読んだ 嵐が丘 の物語りが思い浮かんでくる。

強風吹き荒れる荒野を、キャサリンを求めて彷徨するヒースクリフ。

ヒューヒューと泣く風の音。 ガタガタと音を立てるドアは、まるで、キャサリン

が 入れてちょうだい 入れてちょうだい とむせび泣いている様子まで目に

浮かんでくるようだ。

寂風荘 と名づけたが、烈風荘 かな、とも思う。

この場所の冬の様子は、寂しいけれどとっても気に入っている。

吹きちぎれそうなススキの原が 嵐が丘 に思えてきて、、、、(笑)。

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コメント

ローレンス・オリビエ でしたっけ?
舞台俳優は、後姿に訴えるものがありますね。
出自がジプシーであるところの、ヒースクリフの屈折した孤独感が、ドラマのポイントかもしれないと思っています。
ビデオがあるから、もう一度、正月にでも観てみましょう。

ちなみに私は、俳優では鹿賀剛史が好きです。
TVドラマの「天皇の料理番」を観てファンになりました。
以前、「レ・ミゼラブル」 の舞台を観たときに、無言で立ち尽す姿に、とても雰囲気があって、後姿が訴える役者だなと思いました。

投稿: 鑛二 | 2006年12月11日 (月) 09時07分

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