妹が旅立ったあの日
忘れもしない10年前のきょう
西の空がオレンジ色から黒と灰色のまだらに変わりながら、今、夕闇に
包まれて夜を迎える・・・
そんな時刻に妹は帰らぬ人となった。
朝からずっと手を握り さすってやり はじめは握った私の指を時々かすか
に握り返していたけれど、だんだんそれもなくなっていった。
あとから、あとから滲みでてくる鼻からの血液を拭ってやりながら「姉として
なんにも力になってあげることもしないでご免ね ご免ね」と心の中で詫びて
歩行も困難な妹は、無事にあの世とやらに行けるのだろうか?
私もついて行ってやりたい。
涙にかすんだ目に丁度、あの、オレンジと黒い闇が見えて、いつまでも忘れ
られない師走の一場面となって焼きついた・・・
毎年 毎年、この日のこの時間 私は今でも必ず妹を思い出す。
いもうとが 今 旅立ちぬ茜空 迷わず逝けよ 亡父のもと (ちち)
などと作ったこともない歌のようなものまで思い浮かんだりして。
この忙しい年末の一日 感傷的になって涙ぐんだりする私です。
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コメント
彼女には教わりました。
男女の愛の真価。
それまでは、比べれば下等な愛だと考えていたのかもしれません。
ホンネをみせない不思議なこでもありました。
投稿: くちばかりのこーじ | 2007年12月30日 (日) 08時32分