父恋し
60歳を半ば過ぎて、父親こいし でもあるまいが 夜半からの強い風の音
に目覚めたり、まどろんだりするうちに 明け方、右の足がひどく吊りだし
て暫く起き上がり、指を引っぱったり、伸ばしたり、痛みに耐えているうちに
吊っぱった足もゆるくなり、いつの間にか又、うとうとしてしまった・・・
そして、夢を見た。
懐かしい従弟たち二人が訪ねて来て、あれやこれや
楽しく昔話のようなものを語りあっているとき、突然
父親が現れたのです
昔の白い麻の上下のスーツを着こなして、手には何か
お土産のようなものを持ち、微笑んで入ってきたのです
みんなで「 良く来た 珍しい 久し振り 」 と、だい歓迎。
「 父さん 父さん あいたかったヨオー 」 と、私は涙がとまりません
「 淋しかったヨオー 聞いてもらいたい事が一杯あったんだ! 何処へ
行っていたのヨー・・・」 涙があとから、あとから。
そして、自分の泣き声に驚いて目が醒めたのです
顔も、枕も、涙で濡れて・・・
亡くなって20年 思いがけず 久し振りに父に逢うことができて
悲しいやら 嬉しいやら いくつになっても親は恋しいもの と思いました
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