夏大根
細いけれど葉っぱは生きいきとしかっり
伸びてこまかいとげがチクチク痛いほど。
夏大根 というと、ある、読み物の ある情景を思い出す
橋のない川 第5巻の 夏大根 の章で・・・
警察に出頭した二男、孝二を案じながら、帰ったら食べさせようと蚕豆
(そらまめ)のごはんを炊き、お菜に夏大根の2,3本を畑から引き抜いて
だいこんおろしで食べさせてやりたい ・・・
待てど暮らせど孝二は帰宅せず、(部落の仲間を煽動して学校に乗り込
んだという、いわれの無い罪でその後、長い日数を拘置される)
温かだったそらまめのご飯は冷め、涙ぐみながらおろした大根で
祖母のぬい と 母のふで はひっそり食事を始める
お姑はん と、ふで。
なにえ? と、ぬい。
辛はんな と、ふで。
ほんまに辛いわ 涙が出よった・・・と瞼を拭いた祖母のぬい。
ぬいは、ふでの睫毛がもう最前から濡れているのに気づいていたのだ。
この情景が思い出されて私も、つい、涙ぐみそうになってしまう
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