夜に雨が降るといけないので夕方近くふくちゃんを散歩に連れて行った
紫陽花の大株をグルリと回ったら、そこのベンチに近所のオジチャンと顔は
知っているけど一度も話したことのない近くの奥さんがニコニコして座っていた
オジチャン 「きょうは早くない? この頃朝ふくちゃんに逢わないよねえ」
「この頃 朝はお父さんがルート変えて散歩してくれるのよ」 と わたし
オジチャンが先に帰ってしまったら、奥さんが私にイロイロ打ち明け話を始めた
50歳で脳梗塞になってしまって15年になるけど、毎日リハビリで疲れた
若いときから私の看病で大変なお父さん(主人)を見るのも申し訳なくて辛い
以前はステッキだけで歩けたのに、この頃は手押し車がないと不自由だし・・・
私は胸がつまって何も言えない気持ちだった
おざなりに何か適当なことを言うのは悪い気持ちがしたから・・・
「私の知り合いの男性は、やはり50代で倒れてしまったけれど歩けない、喋れ
ない自分を人目に晒すのが嫌だと言って家に籠もってリハビリもしなかったので
余計不自由になって寂しい生活をしている
それに比べたら奥さんは、まだ手足も使えて、こうして一人でお散歩もできる
以前から奥さんに出会っているけれど・・いつも明るく頑張っているなぁ・・と
感心していたわよ 」
段々日暮れが近くなってきた 「サア 帰りましょ ご主人待っているでしょう」
それにご飯の支度もあるでしょう? と、言うと 「右手が使えないからとっても困
る おとうさんがご飯の支度もしてくれるんだよ 私は悔しくて、くやしくて・・・」
奥さんは涙をポロポロ、ヨダレも流して泣きました 私も涙がでてしまった
切ないほど気持ちが判ります
お話できただけでも少しは気持ちが軽くなった と奥さんは言った~~でも、
私は、こんな時すごく無力だなァ と自分を不甲斐なく思ってしまうのだ
なんだか、人間って悲しくて無力だネ
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