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2010年8月27日 (金)

こおろぎの鳴く声

 網戸越しに見える暗い庭の草むらから、こおろぎが少し鳴いては休み、また鳴き出して、その声はいつまでもやみそうにありません。

家の前を走る車の数も少なくなって、夜は更けてきました ・・・・

今年は何時までも暑すぎる などと朝から晩までダラダラしているうちに、やっぱり秋はきていたんですね。 お月様もなんとなく透きとおってきてますから。

たった一人でテレビも消してボンヤリこおろぎの声に聞き入っているうち、コロコロ鳴く声が わたしを呼んでいる父さんの声に聞こえてきました。
しきりに呼んでいます。  元気か? 変わりはないか? 辛い事はないか? ~~~

最後に見舞った時 「それじゃぁ またくるからネ」 と言って病室の入り口で手を振りました。 、仕事以外に家族団らんなどと縁遠い働き者の父でした。 意に反して思いがけず長い闘病生活を送る羽目になって、どんなに無念だったことでしょう。

一度、病室を出たわたしだったのに、何かが、わたしを引きとめたのです。
二、三歩戻って父を覗いたら、ベッドの上でちょうどタオルを目にあてがって嗚咽をしているところを見てしまいました。

走りよって思わず肩を抱きました。 言葉はいりません。黙って背中をさすってやりました。・・・・ その時父の命は、あといくばくも無かったときです。

・・・ 父さんは死ぬのが怖いヨ。 心細いヨ。  と、あの気丈な厳しい、逞しい男そのものだった父が訴えたのです。  

わたしだけ他県に住んでいることもあって、見舞いにもめった行けず、親不孝なわたしでした。   父はそれから暫くして亡くなりました。
家族の誰一人も最後の父に逢えなかったことで、わたしは「父さん、寂しかったでしょう。心細かったよネ・・・」といつまでも涙が止まりませんでした。
わたしと父は仲が悪く?いつも反抗してケンカばかりをしていたんですが・・・

後に、この話をクリスチャンの弟にした時、「姉さんは、死ぬのが怖いと父さんが言ったときどう答えたの?」 と聞きました。

わたしは、なんにも言えなくて、ただ、父さんの背中を撫でていただけ。 と答えたら、弟はそれしかないよねえ・・・と言いました。
父は平成元年に亡くなりました。  こうして、こおろぎの声を聞いただけでも想いだすのです。 ケンカばかりした父だったけど、わたしは母より父のほうが恋しくてなりません。この歳になっても・・・

秋・・・こおろぎ、虫の声  いよいよ大好きな季節到来です。

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2010年8月25日 (水)

季節の移り変わり

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      証拠を見つけました。  並木通りのマロニエの実です

 暑くてどうしようもない  などと言ってても、秋は足元までやって来てるんですね

 艶々の実は車道や、歩道に零れ落ち、そして私たちに季節の移ろいを気づかせ

 てくれるのですネ。

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2010年8月22日 (日)

思い出のメロディー

 夕べ、家事が済んでヤレヤレと居間に行ったら、テレビの、ある、局が、毎年恒例の「思い出のメロディー」 なるものをやっておりました。

昔のヒット曲を昔の歌手の皆さんが歌ったりしてました。
・・・・確かに、若い頃に流行っていた唄、大好きだった曲など、今聞けば懐かしくて当時の思い出が蘇ります。  でも、ウン十年も前に綺麗で素敵だった歌手の方々も、すっかりお歳を召し、声も切れ切れ、音程も大きく外れ、いたわしく、最後は哀しく惨めな気持ちになって私は目を伏せたくなりました。

せっかっくの思い出の曲や唄が色褪せてきてしまいます。
どんな職業も引き際、タイミングが必要なものと、つくづく思ってしまいました。

 夢が壊れてしまう と思うのは私だけでしょうか?

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2010年8月17日 (火)

夜風に吹かれて・・・

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 日中の暑さが嘘のように、南から北へ涼しい風が時おり吹き渡っていました。
 お月様は立て半分、久し振りに煌々と晴れた空に輝いておりました。

 昔、住んでいた借家にソックリな、小さな平屋の古い家。カーテンの中に橙色
 の灯りが感じられます。 家族がより添って暮らした、何十年も前の我が家が思
 い浮かび、その、お家の方には失礼かもしれないけど前を通る度に懐かしく
 チョット立ち止まって眺めます。

 アパートの部屋の何処からか、赤ちゃんの泣き声がしてきます。
 赤ちゃんの泣き声は、何故か自分にも判らないけど、私を不安にさせて、懐かし
 く、切なく、哀しく、ワケのわからない気分になって涙が出てきてしまうのです。
  わたしも、赤ちゃんと一緒に泣きたくなってくるから不思議です。

 吹き渡ってくる涼しい風に、上着のスソを持ち上げて、または背中を向けて風通し
 をして歩く妖しいバアチャンが一人・・・    徘徊を楽しんだ昨夜のことでした。

 

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2010年8月15日 (日)

終戦記念日

 明け方は、すこしベタっとしていましたが涼しくて目が醒めました。

 夜の散歩では、虫の声も聞くようになり、やはり、秋は少しずつ何処からか忍び

 寄っている気配です。

 終戦の日は、祖母の家で迎えたようです。
 わたしは、秋になれば4歳  という年齢でした。

 父は出征をしていて居りませんでした。
 従妹たちも近くに居て、貧しいながら子供には楽しい日々でもあったようです。

 葉っぱや花で、その従妹たちと、おままごとをした想い出が残ってますから。
 少し高い土手の上で遊んでいて、わたしは土手を転げ落ちて右足骨折をした
 という想い出までしっかりあります。

 「これで、少し楽になる・・・」 心からホッとした。負けて悲しいなんて何にも思わ
 なかった。    後に、母が言いました。
 勝っても、負けても、戦争が早く終って欲しかった・・・ということですね。

 違った意味でまた、苦しい日常が続くのですが・・・

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2010年8月14日 (土)

夏休み 盆休み

 家業が無くなってからすっかり世間の出来事に縁が薄くなってしまいました。

 そうです、今は子供たちも、働く大人たちの多くも夏のバカンスの最中なん

 ですね。   我が家は何時もと同じヒッソリの状態です。

 なんだか、世間から置いてきぼりをされているような変な感じ。

 毎日がお休み状態には、大分慣れてきたつもりですが・・・ ・・・

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2010年8月12日 (木)

二度目の、のうぜんかづら

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      いちど盛りが過ぎたのうぜんかづらが、また咲き出しました。

      丸くて、くす玉のように、可愛らしく細くて長い茎の先でゆれてます。

          

     50歳すぎたばかりの姪が余命いくばくもないと、きょう聞きました。

     母親は三年前、まったく同じ病で亡くなったばかり。

     どんな訳でこうなるんでしょう・・・  

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2010年8月 8日 (日)

精いっぱい生きた夏

103   ベランダに仰向けの一匹のセミ

  うつ伏せにしてやって少しして

  見ると、また仰向けに・・・

  力なく足をふるわせて

  もがくようにしていました

数年ものあいだ地中に居て、それから、死に物狂いの脱皮をして、そして狂おしく鳴いて、地上での短い夏を生ききったのでしょうか?

いま力尽きて一生を終えるところでしょうか。
並木の下、公園の木立の下にも亡骸がコロコロ沢山落ちています。
目を上に移すと、おびただしいセミの抜け殻が・・・

104   なんて判りやすい一生でしょうか

  最後は力尽きてコロンと落ちて

  逝けるなんて羨ましいことです

 

 

 

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2010年8月 4日 (水)

 暑く、苦しい八月

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       つよい日光を浴びて野菜が大きく育ちます。

       我が家でも、初めてこんなに赤いトマトが成りました。

 忙しくバタバタしているうちに八月にはいってしまいました。

 きょうは、四日  あさっては広島にアメリカ軍によって原爆が投下された日です。
 汗とセミの声・・・そして、恐ろしい地獄の日々が始まった八月。

 複雑な気持ちで過ごす暑い八月。  日本人なら原爆を投下された事を忘れては
 なりません。 アメリカの他に原爆投下をした国は何処もありません。
 私は被爆したわけではありませんが我がことのように憤りがこみ上げてくるのです。
 

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