秘密の場所
夏のある日、ふくちゃんに先導されるままに住宅と住宅のあいだの狭い路地
に入って行きました。
その路地はカギ型になって、入った場所の数メートル先に出られるようになって
おりました。
・・・ ・・・ その路地の途中の塀に咲いていたエンゼルストランペットの塊り。
思い出して、きょう路地に入って行きましたら、盛りはすぎたものの まだ
白くいくつも咲いておりました。
実は、その少し横の並びに、見捨てられたように朽ち果てた木造の小さな
住居があるのです。 今にも崩れそうに。
屋根も庇もボロボロです。 そして、ひどいゴミの山が建具もなくなった屋内に
も屋外にも。
でも、誰かが住んでいるようです。 夜 ワカメのようなカーテンの切れ端が
垂れ下がったガラス窓がボ~ッと明るいのです。
夏のある夜にその路地に入ったときに見たのです。
きょう、ごみで一杯の隙間に男の人を見ました。
丸坊主の初老の人が手足をヒョコヒョコさせて体操?をしておりました。
穴だらけの屋根の一箇所にビニールシートが広げてあります。
きっとその下の部分で寝起きしているんでしょう ・・・
ふくちゃんのお陰で現実離れしたような路地へ白いエンゼルストランペット
を見に行くようになりました。
そこは、なにやら秘密っぽい異次元の世界に感じられます。
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コメント
数年前まで、そういう家と住人が近所に居ましたが、亡くなられました
投稿: 玉井人ひろた | 2011年12月10日 (土) 19時42分
>玉井人ひろたさま
どおいう気持ちで暮らしているんでしょうね。世の中には理解しぬくい人々もけっこう身近にいるものですよね。
投稿: 一人しずか | 2011年12月10日 (土) 20時23分