生きる目的
年末から年明けにかけて、地震津波、原発の事故を取り上げたテレビ番組の数々を見た。 その中で、仮設住宅で暮らしている人々へのアンケートの結果を取り上げたものを見ていて、とても考えさせられた。
多くの人々が将来への不安、仕事を失った辛さ、自分が生き残った罪悪感など、悩みをたくさん持って生きているようすに私自身までが、胸の潰れるような悲しみに襲われた。
たくさんの記述の中に 「目的がないので生きてゆくのが辛い。 死を考えてしまう」 というものがあって、その言葉を読んだ私は心臓がドキンとしてしまったのだ。
生きる目的がない。 この言葉は時折私の頭をかすめる言葉だったので。
家業を辞めて、ゆっくり暮らそう 穏やかな老後を過ごそう と、何もない、自分に何も荷せない気楽、気ままな老後の生活をしよう ・・・ ・・・
そのつもりの毎日が二年目になった今、将来への目的がないことに気がついたのだ。この先に何がある?? 旅行に行ってみたって、きれいな花を植えて来年も咲くのを楽しみにしてみよう と思ったって、楽しく食事をしながら友人たちと語り合ったって、所詮その時だけのもの。
けっきょく、何をしたって、どうしたって私には限られた時間しかないのだ。こんなに高齢になって、なにを今更明るい将来が? 明日の朝は目覚めないかもしれない。 別に長生きしたいとも思わないけれど、老いるということは寂しく心細いものなんだ。母親が認知症になり始めた頃、よく私に電話してきて「自分が怖い どうなるのか心配・・」と訴えたものだ。その電話も一日に数回も。
あの時の母親に似た心持がする。きっと母も行く末を思って不安で毎日が虚しかったんだろう。其処へ持ってきて異常な物忘れを自覚するのだから。
みんな、良く平気で生きているもんだ。 先が短いから毎日を楽しく暮らしている というのは良くわかるけれど。
新年早々に縁起でもないことを考えて、やっぱり私は何処かおかしいひねくれ者なのか? 生きる目的がない という言葉が痛いほど分かる自分だったので ・・・ ・・・
従妹の 「歳は取りたくない 働きづめできて気がついたらバアサンになってるんだもの。 情けないヨネエ 」 の言葉は本当に同感した。
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コメント
生きる目的?ネ~、これを読んで私も何も目的と言うものが無いのに気付きました。
今まで働きづめだったからこれからは好きなようにのんべんだらりと生きて行こうと思っていましたから今それが出来ているから(そうするしか他に仕様が無いのが現実だけれど)コレデイイノダ!(天才バカボンの親父の言葉真似!)
深く考えないで行きましょ!
生活には困らないのでしょうから仕事を辞められた直後に私が言ったのはドッカの温泉地に長期滞在してらっしゃい其処に飽きるまで。
と言った筈ですよ。
温泉で頭がふやけるまで居れば良い考えが浮かびますよ。
投稿: tabibito | 2012年1月10日 (火) 21時39分
>tabibitoさま
苦労して仕事ばかりで来たので上手に遊べないし、ある程度以上の贅沢には罪悪感を持ってしまう貧乏性なんです。
目的は生きること・・・毎日ご飯を食べて何となく一日をやり過ごすこと? 社会から外れてるような変な感じ。体力も衰えたし これが一番応えます。
退職したら一大旅行を思ってました。
でも、つまらないですよ。何処へ行ったって同じでしょ。相方が遊び好きで楽しい人なら何処でも何日でもいいけど。で、一人じゃ、やっぱり淋しいし・・難しいのです。(メンドクサイ! ナニイウテンネン!)ですねえ 困ったもんです。
投稿: 一人しずか | 2012年1月11日 (水) 14時53分
震災間もない3月末のこと、わが村にも「外出自粛」の広報が流れていたころです
避難していた人なのか、放射能問題のお話の集会に来た人で、私のそばに座った5~60代の男性がわたしに言った言葉がまた浮かびました。
「毎日毎日休みなく働いていたから、今のように毎日じっとしているのに慣れていなくて、どうしていいか判らない」
あの困り果てた表情は忘れられないです。
投稿: 玉井人ひろた | 2012年1月11日 (水) 16時18分
>玉井人ひろたさん
自営業で忙しく、子供を旅行につれて行くことも、そんなに遠くない実家に帰ることさえままならず無我夢中で過ごしてきました。子供は幸い非行にもならずに良かったです。ちょっと息をついた頃から思い切り好きなことをやりました。そしたら仕事も余計やる気になって、仕事上の苦しみも沢山あったけれど張り合いのある充実した毎日でしたねえ・・
それが、廃業したら ひろたさんの出会った男性が言われた言葉 そのものの気持ちで途方に暮れるようでした。
二年過ぎて生活のリズムもできて、お楽しみ事も結構してるのに時々凄く焦った気持ちに襲われるんですよ。
趣味をもつとか、何かの問題じゃないような気がするんですね。
自分はこれから、どうなる? 何処へいくのか?っていうようなハッキリしない不安な感情です。
多分、高齢になった時、誰しも自分に問う時があるんじゃないでしょうか。ひろたさんも将来高齢になった時わかりませんよ(苦笑)
投稿: 一人しずか | 2012年1月11日 (水) 20時45分