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2016年9月 1日 (木)

毎日使っているお箸のこと

お店の食器売り場や、漆器展などの催しで見かける美しい塗箸。

 

気が付けば、今の自分のお箸は、もう長いこと使用しているようだ。
輪島塗の細身で軽く、箸先が鋭いと感じるほど尖って それが
とても使いやすく、魚など食するときにはとっても便利なのだ。

 

 

むかし、北海道、港町出身という知り合いと食事を一緒にしたとき、

 

自分の魚の食べ方は、誰にも真似できないほど綺麗だと自負して
いたが、アナタの魚の食べ方も見事にきれいですね。
お互い魚の骨格標本のような食べ方ですナ。

 

と言われたことがあった。

お箸のせいばかりじゃなくて、子供のころから魚を日常的に食して
いたせいじゃないかと、私はおもうのだが、、、ここでサテ、弟や姉の
魚の食べ方はどうだったか?と記憶を探っても思い出せない。

Photo


箸というものは、他人の使用しているものを見るのはあまり気持のい
いものではないが、ちょっと失礼して、下の茄子の箸置きを枕に
しているものが現在使用中の私のもの。

そら豆を枕にしているものは、島根に住む古い友人が贈って
くれたもの。

茄子枕の私の箸などとは格がちがう若狭塗の重厚なものだ。

生まれ月がきたら、この新しい箸を使わせてもらおう ・・・

洗って手にもち、試しに薄く切ったキューリの一枚をつまんで
みた。

だけど ・・・箸が太くて重い。  指が疲れる気がする。

太い箸を持って指が疲れるとは、おかしな話だとは思うが。

慣れればいいかもしれないが、しっくりいかない感触は我慢
ができない気持がする。

また、丁寧に洗いなおして念入りに拭き上げて外した和紙の
帯をまき直し、元の箱へそっと納めて引き出しへしまった。

Photo_2

      今まで 誰にも話したことは無いけれど。

赤い箸をみると、ほんとうはなんとなく恐ろしいきがしてくるのだ。

もう、10年近くも昔に、女帝のような義姉が亡くなった折に
山盛りの白ご飯のてっぺんに、二本の真っ赤な箸を突き刺して
あったのを見た。

故人が日常に使用していたその真っ赤な塗箸は真夏の強い
陽にあたってテラテラと光って見えた。
その色に私は分けも判らずゾッとしたのだった。

きっと、言葉にできない真底にある曲がった心情が反映したのか
も ・・・  

その当時の複雑な心境はブログの中に今も残って眠っているだ
ろうが。

なのに、何故、今現在自身が赤い箸を使っているのか?
考えれば、矛盾したおかしな話なのだが。

良く自分でも判らない。

いちど思い出すと脳裏から離れなくなってしまう。

・・・あした、赤色でない新しい箸を買いに行ってこよう。

つまらないことが急に気になって拘る変な自分がいる。
思いついたら即実行をしないと落ち着かない自分が厄介だ。

お箸のことから思いがけない話にとんでしまった。

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コメント

私は、なるべく素材の色を活かしたものまたは素材そのもの色の箸が好きです。

現在使っているのは「鉄刀木」です。

投稿: 玉井人ひろた | 2016年9月 2日 (金) 21時01分

>玉井人ひろたさま
その お箸は一見、象牙のようなキメ細かい表面が滑らかな素材じゃないですか?色はたしか、黒っぽい茶で。 見たことがあるような。木という字が入っているので素材は樹なんでしょうかね。良いものは長く使えていいと思います。
きょう、私は木肌の飾り気のない安物の箸を買ってきました。

投稿: 一人しずか | 2016年9月 2日 (金) 22時18分

正解です。
「タガヤサン」と読み、黒檀や紫檀と並ぶ東南アジアの銘木とあります。

非常に硬い材です

投稿: 玉井人ひろた | 2016年9月 3日 (土) 10時19分

>玉井人ひろたさま
良いお箸を使っておられますね。
奥様の見立てでしょうか。
ご丁寧に答えてくださって有難うございました。

投稿: 一人しずか | 2016年9月 3日 (土) 16時11分

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